2007年10月04日
スティーブン・キング『ミザリー』を舞台で
スティーブン・キングの小説、『ミザリー』を舞台化するというので、見に行く。
スティーブン・キングというのは大変人気のある作家のようだが、純文学派のハシモトとしては例によって読んだことがない。だから「あの小説を舞台化!?」という期待感は全くなくて、じゃあなんで見に行ったかというと、企画として興味を持ったのだ。
演劇なんて見たことがない人も、「スティーブン・キングのあの」であれば足を運ぶのかな?しかも役者がまた「渡辺えり子」「小日向文世」だもんな。そこそこの出来は期待できるのではないか?
念のためダーリンを誘ってみるが、あまり興味はないらしく、同行は遠慮された。私よりはスティーブン・キングに興味ありそうと思ったんだけどな〜??
平日、18:30の新宿。大嫌いな汚い町の、汚い一角、シアターアプル。ホント最悪の汚さよね、新宿。大嫌い。
こんな時間に見にくる客は誰だろう?と思って場内を見回すと、これが結構年齢層高め。おじさん多し。へ〜。これが、アプルの客層なのか、渡辺えり子のファンなのか、「スティーブン・キング」だから集まった客なのかは全く不明。みんな仕事してなくて大丈夫なんだろうか?
話は、知っている方も多いかも知れないが、念のためさらっと書いとくと、ハーレクインみたいな大衆レディースロマン小説作家として成功しているポール(小日向文世)が、田舎で自動車事故に遭う。助けてくれた元看護婦アニー(渡辺えり子)はポール作品の大ファンなんだけど、ポールが大好きなシリーズ「ミザリー」を終わらせようとしてると知ると、続きを書かせようとポールを監禁、あの手この手で脅す、というもの。
で、どうだったかというと、う〜ん。全然ダメだったぁ〜
まず、渡辺えり子のアニーが怖くない。
いや、斧を持ち出してポールの足を切断したり(それを舞台上で「やる」)、そう言う意味では怖いんだけど、怖いだけっていうか。ただの過激な人って感じで全然共感できない。
私の想像していたのは(そして期待していたのは)、愛と憎しみ、尊敬と軽蔑が表裏一体であるところの狂気、その恐ろしさだったんだけど....
つまり、端的に言うと、『何がジェーンに起ったか?』(What ever happened to Baby Jane?)のベティ・デイビスを私は期待してた!
これ、見た??見てなかったら絶対見て!!!名作です。これを見ずして人間の狂気を語るな、描くなって感じ。
もうものすご〜〜〜〜〜〜〜〜く怖いから!人間の業の深さ、恐ろしさ、心の闇を描ききって、哀しい。愛おしい。尋常じゃない。
有名になった女優の姉に嫉妬し、憎み、痛めつけ、追いつめながら、自分が警察に追われていることを知ると、「お姉ちゃま、どうしよう!?」とベッドサイドに駆けつける。最後は「ストロベリーのアイスクリーム頂戴!」と完全に子どもに返りながら、集まってきた人の輪に向かって純真な笑顔を向ける。
恐ろしい殺人鬼の心のなかの、無垢な心。まさに何が彼女をここまで追いつめてしまったのだろう?って感じ。
大好きな大女優ベティ・デイビスの本領発揮!こんな役、一体どうやって演じてるのか、もうとにかく脱帽!絶句です。見て震えろ!です。
これに比べたら渡辺えり子のアニーは....子ども騙しのステレオタイプにしか過ぎないよ....『ジェーン』と見比べて見てちょーだい!......
だから、人間の心の奥をきちんと描いていないから、ただの悪趣味、ただの気違い、ただの三流ホラー作品だった。
それは、渡辺えり子の演技力のせい?それとも演出が浅はかなの?もしやもしやスティーブン・キングの原作がその程度なの????
どうだった?とダーリンに聞かれ、「悪趣味だった」と答えたら、「そりゃあスティーブン・キングは悪趣味なんじゃないの?」と返される。
....そそそそうなのか!?みんな、悪趣味なものを欲しているの?
人間の心の闇をディープに描いてぞっとする体験より、表面的なスプラッタが好きなわけ??
つまり、『ジェーン』より『ミザリー』が良いの???
『ジェーン』を知らなくて『ミザリー』しかないんじゃなくて、敢えて『ミザリー』を選んでるわけ???ベティ・デイビスより渡辺えり子が良いと思ってるの????
売れてるってそういうことだよね???
だとしたら、いや〜世の中、生きにくいはずだわ!
私は『ジェーン』=ベティ派って方、慰め合いましょう....
関連する記事へのリンク(別ウィンドウで開きます)
■スティーブン・キングの原作『ミザリー』(文庫);読むのを止めはしません....私は読まないけど。
■キャシー・ベイツが主演で映画化もされていると。『ミザリー』(DVD);こっちの方が面白いんだろうか。そうだといいなぁ。
■稀代の名作、これを見ずしてサイコスリラーを語るな。泣く子も黙る『何がジェーンに起ったか』;ベティ・デイビス、最高です。
スティーブン・キングというのは大変人気のある作家のようだが、純文学派のハシモトとしては例によって読んだことがない。だから「あの小説を舞台化!?」という期待感は全くなくて、じゃあなんで見に行ったかというと、企画として興味を持ったのだ。
演劇なんて見たことがない人も、「スティーブン・キングのあの」であれば足を運ぶのかな?しかも役者がまた「渡辺えり子」「小日向文世」だもんな。そこそこの出来は期待できるのではないか?
念のためダーリンを誘ってみるが、あまり興味はないらしく、同行は遠慮された。私よりはスティーブン・キングに興味ありそうと思ったんだけどな〜??
平日、18:30の新宿。大嫌いな汚い町の、汚い一角、シアターアプル。ホント最悪の汚さよね、新宿。大嫌い。
こんな時間に見にくる客は誰だろう?と思って場内を見回すと、これが結構年齢層高め。おじさん多し。へ〜。これが、アプルの客層なのか、渡辺えり子のファンなのか、「スティーブン・キング」だから集まった客なのかは全く不明。みんな仕事してなくて大丈夫なんだろうか?
話は、知っている方も多いかも知れないが、念のためさらっと書いとくと、ハーレクインみたいな大衆レディースロマン小説作家として成功しているポール(小日向文世)が、田舎で自動車事故に遭う。助けてくれた元看護婦アニー(渡辺えり子)はポール作品の大ファンなんだけど、ポールが大好きなシリーズ「ミザリー」を終わらせようとしてると知ると、続きを書かせようとポールを監禁、あの手この手で脅す、というもの。
で、どうだったかというと、う〜ん。全然ダメだったぁ〜
まず、渡辺えり子のアニーが怖くない。
いや、斧を持ち出してポールの足を切断したり(それを舞台上で「やる」)、そう言う意味では怖いんだけど、怖いだけっていうか。ただの過激な人って感じで全然共感できない。
私の想像していたのは(そして期待していたのは)、愛と憎しみ、尊敬と軽蔑が表裏一体であるところの狂気、その恐ろしさだったんだけど....
つまり、端的に言うと、『何がジェーンに起ったか?』(What ever happened to Baby Jane?)のベティ・デイビスを私は期待してた!
これ、見た??見てなかったら絶対見て!!!名作です。これを見ずして人間の狂気を語るな、描くなって感じ。
もうものすご〜〜〜〜〜〜〜〜く怖いから!人間の業の深さ、恐ろしさ、心の闇を描ききって、哀しい。愛おしい。尋常じゃない。
有名になった女優の姉に嫉妬し、憎み、痛めつけ、追いつめながら、自分が警察に追われていることを知ると、「お姉ちゃま、どうしよう!?」とベッドサイドに駆けつける。最後は「ストロベリーのアイスクリーム頂戴!」と完全に子どもに返りながら、集まってきた人の輪に向かって純真な笑顔を向ける。
恐ろしい殺人鬼の心のなかの、無垢な心。まさに何が彼女をここまで追いつめてしまったのだろう?って感じ。
大好きな大女優ベティ・デイビスの本領発揮!こんな役、一体どうやって演じてるのか、もうとにかく脱帽!絶句です。見て震えろ!です。
これに比べたら渡辺えり子のアニーは....子ども騙しのステレオタイプにしか過ぎないよ....『ジェーン』と見比べて見てちょーだい!......
だから、人間の心の奥をきちんと描いていないから、ただの悪趣味、ただの気違い、ただの三流ホラー作品だった。
それは、渡辺えり子の演技力のせい?それとも演出が浅はかなの?もしやもしやスティーブン・キングの原作がその程度なの????
どうだった?とダーリンに聞かれ、「悪趣味だった」と答えたら、「そりゃあスティーブン・キングは悪趣味なんじゃないの?」と返される。
....そそそそうなのか!?みんな、悪趣味なものを欲しているの?
人間の心の闇をディープに描いてぞっとする体験より、表面的なスプラッタが好きなわけ??
つまり、『ジェーン』より『ミザリー』が良いの???
『ジェーン』を知らなくて『ミザリー』しかないんじゃなくて、敢えて『ミザリー』を選んでるわけ???ベティ・デイビスより渡辺えり子が良いと思ってるの????
売れてるってそういうことだよね???
だとしたら、いや〜世の中、生きにくいはずだわ!
私は『ジェーン』=ベティ派って方、慰め合いましょう....
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■キャシー・ベイツが主演で映画化もされていると。『ミザリー』(DVD);こっちの方が面白いんだろうか。そうだといいなぁ。
■稀代の名作、これを見ずしてサイコスリラーを語るな。泣く子も黙る『何がジェーンに起ったか』;ベティ・デイビス、最高です。
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この記事へのコメント
1. Posted by 通りすがり 2010年03月15日 06:58





