2006年05月08日
扇情する古楽器、カジュアルなメセナ
今日あたくしは、と〜んでもなく素晴らしい古楽器バンドを見つけてしまった!ああ、こんな出会いを与えてくれて、神様ありがとう!!
今日行ったのは、アサヒビールのメセナ活動ロビーコンサートの第97回、「500年の虹〜古楽アンサンブル アントネッロの世界〜」。
これは、ご存知浅草「金のうんち」ビル(正確にはその隣り)のアサヒビール本社で行われるカジュアルなご招待制コンサート。
アサヒビールは、メセナ、それもパフォーミング・アーツの支援に大変力をいれていて、ハシモトが大いに感心している企業。メセナを継続することの困難さを伝え聞いている私としては、是非これからもこうあって欲しいと願い、かつ今日までこんなに力強くアートを支えて下さっていることを大感謝している。
18:30という開演時間。普通なら間に合わない私だが、銀座にお勤めの今は違う!!定時に上がれば余裕で間に合うじゃないの......つまりこれは、地元の人たちに向けたアピールの強いイベントなのかな?
会場に着くと、席は大分埋まっている。
もう一度念を押すけど(^^)、このコンサートは、会社のロビーで行われる。
ほら、自社ビルなんかを持ってる企業は、1Fが天井の高い広々としたロビーになってて、彫刻置いてたりソファー置いてたりするじゃない??そこに舞台を作って、簡単な照明機器を入れて、パイプ椅子を舞台の周囲にL字型に並べてそこが会場になる。
壁面の全面ガラスの向こうには、高速道路の高架が見える。びゅんびゅん走って行く車。やがて迫ってくる夕闇。そんなのが今日の演奏会の背景(^^)
......いいじゃな〜い(^^)
「何もない空間に、明かりが灯る。そこにすっと俳優が入ってきて、芝居が始まる」
メセナなんて言うと、でっかいホールでも建てなきゃいけない、ビッグスターを呼ばなきゃいけないって考える企業やメセナ担当者がまだいるとしたら、そんなのアホよ。これでいい。これでいいじゃない??
もちろん音響なんか全然良くないに決まってる。だってそれ用に作られたホールじゃないから。
だけど、だからってそこで演奏が、パフォーマンスができないわけじゃない。
空間があれば、そこが舞台。
会社の玄関ホールなんてどこにでもあるでしょ?
ってことは、こーゆーコンサートなら、どんな企業だってやる気があればできる。全国どこでも。
アサヒビールのロビーコンサートのページを見て頂ければわかると思うけど、実際、このコンサートが実施されているのは東京だけじゃない。地方だって。工場だって。会場になりうる。
空間があって、アーティストがいて、お客様がいれば。
今日の演奏は、古楽アンサンブル アントネッロという男女三人のグループ。日本人。コルネット&リコーダーの'リーダー'濱田芳通さん。ヴィオラ・ダ・ガンバの'女教師'石川かおりさん。そしてチェンバロ&バロック・ハープの'姫'西山まりえさん。('**'内は特徴を一言で言ってみただけで、別に彼らがそんなあだ名だということはない(^^;))
舞台の上のチェンバロがまた大変美しくて、心が誘われる。明るいオリーブグリーンに金の罫。
......ピアノは一体いつから、誰が黒って決めたの?
メンバーが出てきて、自然な感じで礼をし、演奏が始まる。
面白い!!!こんな風に古楽器を弾くグループというのは他にないのではあるまいか???
.....だからこそ、CDを出すたびに絶讃されて、日本よりむしろヨーロッパで評価されているのね。
えーっとね。古楽器って言うと、どんなイメージ?
とりあえず、古風。お嬢さん芸? なんか曲も素朴で「癒し系」?
ところがところが。彼らの演奏は、なんというか.....情熱。激しさ。哀愁。男のロマン。+ちょっとナルシシズム?(^^;)(このナルっぽいところがなければもっと聴きやすいのにと思う部分もときどき.....)
いわゆる「古楽」のイメージを、完全に壊されてしまう。とにかくむちゃくちゃかっこいい!!
楽器として一番音に痺れたのは、西山まりえさんのバロック・ハープだった。なんかねぇ....音を出した瞬間に、うわっ!これこれ、こーゆー音を聴きたかったの!となぜか興奮(^^;)
ハープって憧れない?私は憧れた。あの形がいい。ギリシャ神話、乙女
って感じで、子どもだった私はすっごく弾きたかった(^^)
(私の母は、できれば私に芸術の道を歩んで欲しいと望んでいたのかもしれない。今思えばハープとゆー楽器についていろいろ調べてくれたようだ。「実はすっごい腕の筋肉がいる」ということも教えてもらい、「大変だけど、習いたいならいいわよ」と言われていたのに、「う〜ん」とか言ってるうちに時は流れた。)
そのイメージ、そのとき心の中で聴いていた音、これこれ、これなのよ!(^^)
うわ〜嬉しい!こんなところで一気に忘れていた記憶が蘇るなんて(^^;)
なんて感じで、あれこれ興奮して新しい音の渦に身を任せているうちに、前半の終了。
休憩時間にもらえる缶のお酒を飲んで、程よ〜く気持ちいい(^^)
ついでにCDを買いに行くが、たくさん種類がありすぎて、しかもどれも面白そうで、決められない!!
売り場のお姉さんにいろいろ質問して、『ビバ!チャコーナ〜ダンサブルな17世紀のイタリア音楽』というのを買う。イエ〜!これで毎晩踊るぜ(^^)
後半が始まり、濱田芳通さんのお話によると、江戸時代、鎖国をしてた頃にやってきたポルトガル人によって、ヨーロッパ中世の演奏曲というのは日本に伝わり、日本人の音楽に伝わっている(!)のではないか....ということでした。
実際、ずいずいずっころばしに似てるという曲も演奏してくれた(期待してたほど和風でもなかったけど)。
少なくとも、当時のヨーロッパの音楽が南米へ渡り、そこから北上してアメリカ入り、もしくはヨーロッパに再輸入されているのは音楽史的に事実と思われる。タンゴもそうだよね。
ということで、ピアソラの『望郷』を弾いてくれる。
しかしタンゴというものは、どうして心がふっと浮いて滑り出してしまうのだろう。
(あとで、委員のひとり小沼純一さんだと思われる方が、「『望郷』を聴くと自然と涙が出てしまいますね〜。名曲です」と仰っていたけれど、賛成!ピアソラはタンゴファンには賛否両論ある作曲家で、実際にハ?と思うほどポップで軟派な曲もあるけれど、本当に素晴らしい曲もたくさん書いている!私は大好きです)
■ピアソラの曲はあらゆるジャンルの演奏家によってカバーされてます。CDリストはこちら
しかも!今日のイベントは、基本的に招待制なのだが、同時に市民パトロネージュ制をもとっている。つまり、聴いて、いいなと思った分だけおひねりを飛ばすのだ(実際には飛ばさないよ)。
ということを事前に聞いて知っていたのだが、なんとこのシステムの導入は今回が初めてだそうな。
いや、いい、いい。これまで無料で聴けてたものを、急になにがしか払わなくちゃならなくなって文句を言う心の狭い客もいるかも知れないけど、そんなの間違ってる!
良いと思うものには相応の代価を払え。当たり前でしょ?
演奏が終わって、アンコールに応えてくれて、出口には箱が置いてある。
私はもちろん、最初からこれくらいいれよう、と思ってた金額にプラスして(だって素晴らしかったんだもん!!!)、さて、と周りを見渡した(^^)
みんないくらくらい入れてくんだろう??
こういう金額を観客に決めさせる舞台って、難しいんだよね。特に日本では、かな?(^^)
相場っていくらなのかあまり知らない人が多いし、サービスは無料だ!ってゆー風潮があるから、タダで済ませられるならタダでって思う人が多いし、なにより、「値段を自分の心に応じて決める」習慣がない。(ご存知のように、欧米人は日々「チップ」にサービスへの対価を示している。)
会場の年齢層は結構高い。でもいかにも下町らしく、「庶民」っぽいひとが多い(?)。
う〜ん。私の見る限りでは、みんなお財布のひもは固かったな〜万札突っ込んでる人とか、私の目の前ではいなかったもの(^^)。いてもいいのにね(^^)
でも別に、アサヒビールさんからアントネッロさんに払われる出演料が値下げされるわけじゃないそうだから、心配には及ばないけど(^^)
そうそう、アート自体を育てることも重要だけど、それは「観客を育てる」ことと分離しては不可能だと私も思う。だって、観客がアートを育てるんだもの、本当は。メセナじゃなく。
だから、今日のイベントにはすみずみまで賛成!ブラボー!アサヒビール!(^^)
私、ビールって飲み物は実は好きじゃない(チェコビール
は別)(^^;)。でもアサヒビールはこれからも応援しよう♪
抽選で当たらないと行けないから、次回のコンサートもめざとく応募よ、皆さま!
関連する記事へのリンク(別ウィンドウで開きます)
■ハシモト大絶賛!アサヒビールのロビーコンサート
■古楽アンサンブル アントネッロのホームページ
■BankArtで受講したメセナの授業の記事川村美術館編
今日行ったのは、アサヒビールのメセナ活動ロビーコンサートの第97回、「500年の虹〜古楽アンサンブル アントネッロの世界〜」。
これは、ご存知浅草「金のうんち」ビル(正確にはその隣り)のアサヒビール本社で行われるカジュアルなご招待制コンサート。
アサヒビールは、メセナ、それもパフォーミング・アーツの支援に大変力をいれていて、ハシモトが大いに感心している企業。メセナを継続することの困難さを伝え聞いている私としては、是非これからもこうあって欲しいと願い、かつ今日までこんなに力強くアートを支えて下さっていることを大感謝している。
18:30という開演時間。普通なら間に合わない私だが、銀座にお勤めの今は違う!!定時に上がれば余裕で間に合うじゃないの......つまりこれは、地元の人たちに向けたアピールの強いイベントなのかな?
会場に着くと、席は大分埋まっている。
もう一度念を押すけど(^^)、このコンサートは、会社のロビーで行われる。
ほら、自社ビルなんかを持ってる企業は、1Fが天井の高い広々としたロビーになってて、彫刻置いてたりソファー置いてたりするじゃない??そこに舞台を作って、簡単な照明機器を入れて、パイプ椅子を舞台の周囲にL字型に並べてそこが会場になる。
壁面の全面ガラスの向こうには、高速道路の高架が見える。びゅんびゅん走って行く車。やがて迫ってくる夕闇。そんなのが今日の演奏会の背景(^^)
......いいじゃな〜い(^^)
「何もない空間に、明かりが灯る。そこにすっと俳優が入ってきて、芝居が始まる」
メセナなんて言うと、でっかいホールでも建てなきゃいけない、ビッグスターを呼ばなきゃいけないって考える企業やメセナ担当者がまだいるとしたら、そんなのアホよ。これでいい。これでいいじゃない??
もちろん音響なんか全然良くないに決まってる。だってそれ用に作られたホールじゃないから。
だけど、だからってそこで演奏が、パフォーマンスができないわけじゃない。
空間があれば、そこが舞台。
会社の玄関ホールなんてどこにでもあるでしょ?
ってことは、こーゆーコンサートなら、どんな企業だってやる気があればできる。全国どこでも。
アサヒビールのロビーコンサートのページを見て頂ければわかると思うけど、実際、このコンサートが実施されているのは東京だけじゃない。地方だって。工場だって。会場になりうる。
空間があって、アーティストがいて、お客様がいれば。
今日の演奏は、古楽アンサンブル アントネッロという男女三人のグループ。日本人。コルネット&リコーダーの'リーダー'濱田芳通さん。ヴィオラ・ダ・ガンバの'女教師'石川かおりさん。そしてチェンバロ&バロック・ハープの'姫'西山まりえさん。('**'内は特徴を一言で言ってみただけで、別に彼らがそんなあだ名だということはない(^^;))
舞台の上のチェンバロがまた大変美しくて、心が誘われる。明るいオリーブグリーンに金の罫。
......ピアノは一体いつから、誰が黒って決めたの?
メンバーが出てきて、自然な感じで礼をし、演奏が始まる。
面白い!!!こんな風に古楽器を弾くグループというのは他にないのではあるまいか???
.....だからこそ、CDを出すたびに絶讃されて、日本よりむしろヨーロッパで評価されているのね。
えーっとね。古楽器って言うと、どんなイメージ?
とりあえず、古風。お嬢さん芸? なんか曲も素朴で「癒し系」?
ところがところが。彼らの演奏は、なんというか.....情熱。激しさ。哀愁。男のロマン。+ちょっとナルシシズム?(^^;)(このナルっぽいところがなければもっと聴きやすいのにと思う部分もときどき.....)
いわゆる「古楽」のイメージを、完全に壊されてしまう。とにかくむちゃくちゃかっこいい!!
楽器として一番音に痺れたのは、西山まりえさんのバロック・ハープだった。なんかねぇ....音を出した瞬間に、うわっ!これこれ、こーゆー音を聴きたかったの!となぜか興奮(^^;)
ハープって憧れない?私は憧れた。あの形がいい。ギリシャ神話、乙女
って感じで、子どもだった私はすっごく弾きたかった(^^)(私の母は、できれば私に芸術の道を歩んで欲しいと望んでいたのかもしれない。今思えばハープとゆー楽器についていろいろ調べてくれたようだ。「実はすっごい腕の筋肉がいる」ということも教えてもらい、「大変だけど、習いたいならいいわよ」と言われていたのに、「う〜ん」とか言ってるうちに時は流れた。)
そのイメージ、そのとき心の中で聴いていた音、これこれ、これなのよ!(^^)
うわ〜嬉しい!こんなところで一気に忘れていた記憶が蘇るなんて(^^;)
なんて感じで、あれこれ興奮して新しい音の渦に身を任せているうちに、前半の終了。
休憩時間にもらえる缶のお酒を飲んで、程よ〜く気持ちいい(^^)
ついでにCDを買いに行くが、たくさん種類がありすぎて、しかもどれも面白そうで、決められない!!
売り場のお姉さんにいろいろ質問して、『ビバ!チャコーナ〜ダンサブルな17世紀のイタリア音楽』というのを買う。イエ〜!これで毎晩踊るぜ(^^)
後半が始まり、濱田芳通さんのお話によると、江戸時代、鎖国をしてた頃にやってきたポルトガル人によって、ヨーロッパ中世の演奏曲というのは日本に伝わり、日本人の音楽に伝わっている(!)のではないか....ということでした。
実際、ずいずいずっころばしに似てるという曲も演奏してくれた(期待してたほど和風でもなかったけど)。
少なくとも、当時のヨーロッパの音楽が南米へ渡り、そこから北上してアメリカ入り、もしくはヨーロッパに再輸入されているのは音楽史的に事実と思われる。タンゴもそうだよね。
ということで、ピアソラの『望郷』を弾いてくれる。
しかしタンゴというものは、どうして心がふっと浮いて滑り出してしまうのだろう。
(あとで、委員のひとり小沼純一さんだと思われる方が、「『望郷』を聴くと自然と涙が出てしまいますね〜。名曲です」と仰っていたけれど、賛成!ピアソラはタンゴファンには賛否両論ある作曲家で、実際にハ?と思うほどポップで軟派な曲もあるけれど、本当に素晴らしい曲もたくさん書いている!私は大好きです)
■ピアソラの曲はあらゆるジャンルの演奏家によってカバーされてます。CDリストはこちら
しかも!今日のイベントは、基本的に招待制なのだが、同時に市民パトロネージュ制をもとっている。つまり、聴いて、いいなと思った分だけおひねりを飛ばすのだ(実際には飛ばさないよ)。
ということを事前に聞いて知っていたのだが、なんとこのシステムの導入は今回が初めてだそうな。
いや、いい、いい。これまで無料で聴けてたものを、急になにがしか払わなくちゃならなくなって文句を言う心の狭い客もいるかも知れないけど、そんなの間違ってる!
良いと思うものには相応の代価を払え。当たり前でしょ?
演奏が終わって、アンコールに応えてくれて、出口には箱が置いてある。
私はもちろん、最初からこれくらいいれよう、と思ってた金額にプラスして(だって素晴らしかったんだもん!!!)、さて、と周りを見渡した(^^)
みんないくらくらい入れてくんだろう??
こういう金額を観客に決めさせる舞台って、難しいんだよね。特に日本では、かな?(^^)
相場っていくらなのかあまり知らない人が多いし、サービスは無料だ!ってゆー風潮があるから、タダで済ませられるならタダでって思う人が多いし、なにより、「値段を自分の心に応じて決める」習慣がない。(ご存知のように、欧米人は日々「チップ」にサービスへの対価を示している。)
会場の年齢層は結構高い。でもいかにも下町らしく、「庶民」っぽいひとが多い(?)。
う〜ん。私の見る限りでは、みんなお財布のひもは固かったな〜万札突っ込んでる人とか、私の目の前ではいなかったもの(^^)。いてもいいのにね(^^)
でも別に、アサヒビールさんからアントネッロさんに払われる出演料が値下げされるわけじゃないそうだから、心配には及ばないけど(^^)
そうそう、アート自体を育てることも重要だけど、それは「観客を育てる」ことと分離しては不可能だと私も思う。だって、観客がアートを育てるんだもの、本当は。メセナじゃなく。
だから、今日のイベントにはすみずみまで賛成!ブラボー!アサヒビール!(^^)
私、ビールって飲み物は実は好きじゃない(チェコビール
抽選で当たらないと行けないから、次回のコンサートもめざとく応募よ、皆さま!
関連する記事へのリンク(別ウィンドウで開きます)
■ハシモト大絶賛!アサヒビールのロビーコンサート
■古楽アンサンブル アントネッロのホームページ
■BankArtで受講したメセナの授業の記事川村美術館編






