2005年09月14日
セックスについてのキンゼイ・レポート
*ネタで映画を見ないのが感激コンサル流。ネタバレが嫌なら読まないでねv
(つーかさ、ネタバレが嫌な人は何を知りたくてネットをうろうろしてるんだろー?
悩まずに見に行った方が早いぞ〜!当たりも外れも、要はネタじゃないんだから!)
ちょっと興味があったのだけど、なかなか行けずにいた映画が、終わってしまうというので見に行く。『愛についてのキンゼイ・レポート』。
タイトルをわざと「セックスについての」と変えたのは、この映画は「愛についてのキンゼイ・レポート」など扱っておらず、生物学者キンゼイ博士の「セックスについての」科学的事例収集とその個人的および歴史的背景を描いているものだから。原題は『KINSEY』と彼の名前だけ。
全くも〜〜〜「愛」ってつければ若い女性を呼び込めると思って.....!そーゆーチャラい、本質的でないやり方って本当に嫌。
もちろん私が見に行ったのは、彼がアメリカを(多分世界をも)震撼させたキンゼイ・レポートの著者であり、セックスについて余すところなくリサーチした最初の人だと知っていたから。そのキンゼイを名優リーアム・ニーソンが演じるというだけでも、見に行く価値がありそうじゃない?
いやさらに、キンゼイにならって事実を事実として口に出すなら、セックスをタブー視しないことは私の人生にとってとても大切なことだと思うから。その道の先輩であるキンゼイ博士には興味ある(^^)
そして.....まぁなんとからっと明るく描かれるセックス!
『閉じられた履歴書』を読んでディープに傷ついていた私は、この大らかさに救われる。(詳細は『性産業の現実を思い知る』参照)
いや、もちろん、明るくともなんともなかったから、キンゼイ博士は立ち上がったわけだけれども。
当時のアメリカ。オーラルセックスをすると妊娠できなくなるとか、マスターベーションすると精神に異常を来すとか。だからしたくなったら神様に祈ろうとか、男友達の顔を思い浮かべて我慢しようとか。......たかだか60年前のことだよ!(それが今や.....(^^;))
セックスについて、皆がそれぞれの迷信を信じていて悩みつつも誰にも相談できずにもんもんとしてた。キンゼイ博士自身も例外ではなく、極度にピューリタンな父のもと、悩み深い少年時代を過ごし、成長しても童貞。今日もハチの研究に一生懸命。それが恋をして、結婚して、......奥さんとセックスできなかったからさぁ大変!(^^)巨根だったくせに前戯もなくバージンの奥さんに入るかっての!でもそこが科学者。ちゃんとお医者さんに相談に行って、どうやるか教わって(^^)それから夢のようなセックス・ライフを送れるようになった。
.....そして学生の悩みを聞くうち.....誰もセックスについて科学的に知らない!知らないから迷信に右往左往してるのに、それに対して生物学者の自分は反論もできないってことに気がつき、セックスを科学的に調査する決意を固める。
これがさ、すごい自然な流れなんだよ。別に彼は、セックス好きなわけでもなければ、これで名を成そうとか、センセーションを巻き起こそうとか思ってるわけじゃない。エロおやじですらない。ただ、大人の、当たり前の科学者として、無知から知の世界に向かい、皆を悩みから解放する必要があると感じる。
そして開始するインタビュー。アメリカ全土の男性/女性、ホモセクシュアル/ヘテロセクシュアル、年齢・宗教問わず(ただし、歴史的事実について述べると、彼の調査は白人のみを対象として行われた)。その数なんと18000人!
わかったことは.....みんな違うってこと(^^)。違うから、「私は正常ですか?」と聞かれても、「正常です」としか答えられない(^^)。....逆に言えば、「自分は異常だ」と悩む必要なんかないってこと。
そしてその事実を出版!世間は騒然!セックスは.....まぁ今でもそうだけど、人前であけすけに語るにはあまりにタブー視されているからね。
でも...『男性版』はまだ良かったのだけれど(センセーションとして奇異的に報じられたけれど、少なくともベストセラーになり多くの人が読んだ)、『女性版』の発行に対しては、あまりに不道徳だとして批判されるようになり、世間は彼を白眼視するようになる。
加えて、赤狩りの嵐。ロックフェラーの資金援助が断たれ、その上、自分の著作を都合よく捉える「やれやれバンバン」な読者とも出会い、性犯罪を助長してしまったのではないかと悩んだり......
後半の彼はぼろぼろ。不思議なんだけど.....うまく行っているときに、彼は傲らない。傲っている暇はない。研究に忙しくて。でもうまく行かなくなったときに.....目に見えずに支持してくれる人たちの存在を彼はいとも簡単に忘れてしまう。自分が世界を少しだけ、でも大きく変えたってことに気がつけない。
でもさ、最後に出てくるレズビアンの女性が言っていたように、彼の本を読んでまさしく「命が救われた」人って何人もいたと思うんだよね。
笑ったり、泣いたり、存分に楽しませてくれる映画。
ただ彼は、あくまでも科学者として科学的にセックスを追求・探求してる。それがあまりにも.....助手の青年、バイセクシュアルでキンゼイとホモセクシュアルな関係を結んだ彼の言うように「冷酷」でもある。なぜって....人はセックスを愛と結びつけて考えるから。そんなに単純に、人は「セックスはセックス」とは割り切れない。
その矛盾をつくのが、青年と妻クララが、共犯的性関係を結ぶシーン!ホントは嫌なんだけど、嫌とも言えず、黙っちゃうキンゼイがかわいく、おかしい(^^)
(この助手役を務めるのが若手実力派のクリス・オドネル!!実力に対して今イチ役には恵まれないが、私は彼にむちゃくちゃ注目している。アル・パチーノの『セント・オブ・ウーマン』は見た??ラストがいかにもアメリカ臭くて、ラストだけカットして欲しいけれど、その前までは素晴らしい作品(^^;)そして、この作品でパチーノの相方を見事に演じきるのがクリス・オドネル!.....いや見てよ、この演技。素晴らしい。今回はまた顔つきまでがらっと変わってびっくりです。)
クララとの愛は美しく、強いけれど、でも本質的にこれは「愛」について扱った映画ではない。
それを裏付けるように、映画の最後で、「なぜあなたは愛について語らないのですか?」
と聞かれるシーンがある。キンゼイは答えて、「なぜなら愛は数値化できない、だから科学的に扱うことができない」......「人は愛についてもあまりに無知だ」とも。
キンゼイ博士が愛についてレポートしたら、それはすごく興味ある、深い本になったのではないかと思うけれど(^^)
私、最近の一連の出会いから思ったのだけれど、セックス.....(セクシュアリティ、性体験、性器そのもの)は、愛だけじゃなくって、その人の人生の核をなすものなんじゃないかってこと。自分のセクシュアリティ、自分のした性体験、自分と性器との関係。それは自分のアイデンティティともなって、人生に多大な影響を及ぼしてる。
だから、やましくなく、傷つくことも傷つけることもなく、明るく、楽しく、大らかに、「セックスと自分との関係」を築くことがとても大切。なのではないか?
今さ、改めて『キンゼイ』のオフィシャル・ホームページを見てたら、パパ役のジョン・リスゴーが「真実が人間を解放する」って語っていて......ため息。なんて素晴らしい言葉なんだろう。「真実が人間を解放する」。
私も、常にそんな人間でありたい。
関連する記事へのリンク(別ウィンドウで開きます)
■『愛についてのキンゼイ・レポート』オフィシャル・サイトはこちら
■関連記事も読んでね♪暗いけど、事実をえぐり出す衝撃の本についての記事『性産業の現実を思い知る』
■パチーノ&オドネルの名演に酔う!『セント・オブ・ウーマン』DVDはこちら、レンタルはこちらから!
■キンゼイに関する本で、今手に入るのってこれだけなの?ホント!?キンゼイ博士に関する書籍リスト
■↓キンゼイ研究所は今でもセックスについての研究書を出版してます。洋書なら読める!
(つーかさ、ネタバレが嫌な人は何を知りたくてネットをうろうろしてるんだろー?
悩まずに見に行った方が早いぞ〜!当たりも外れも、要はネタじゃないんだから!)
ちょっと興味があったのだけど、なかなか行けずにいた映画が、終わってしまうというので見に行く。『愛についてのキンゼイ・レポート』。
タイトルをわざと「セックスについての」と変えたのは、この映画は「愛についてのキンゼイ・レポート」など扱っておらず、生物学者キンゼイ博士の「セックスについての」科学的事例収集とその個人的および歴史的背景を描いているものだから。原題は『KINSEY』と彼の名前だけ。
全くも〜〜〜「愛」ってつければ若い女性を呼び込めると思って.....!そーゆーチャラい、本質的でないやり方って本当に嫌。
もちろん私が見に行ったのは、彼がアメリカを(多分世界をも)震撼させたキンゼイ・レポートの著者であり、セックスについて余すところなくリサーチした最初の人だと知っていたから。そのキンゼイを名優リーアム・ニーソンが演じるというだけでも、見に行く価値がありそうじゃない?
いやさらに、キンゼイにならって事実を事実として口に出すなら、セックスをタブー視しないことは私の人生にとってとても大切なことだと思うから。その道の先輩であるキンゼイ博士には興味ある(^^)
そして.....まぁなんとからっと明るく描かれるセックス!
『閉じられた履歴書』を読んでディープに傷ついていた私は、この大らかさに救われる。(詳細は『性産業の現実を思い知る』参照)
いや、もちろん、明るくともなんともなかったから、キンゼイ博士は立ち上がったわけだけれども。
当時のアメリカ。オーラルセックスをすると妊娠できなくなるとか、マスターベーションすると精神に異常を来すとか。だからしたくなったら神様に祈ろうとか、男友達の顔を思い浮かべて我慢しようとか。......たかだか60年前のことだよ!(それが今や.....(^^;))
セックスについて、皆がそれぞれの迷信を信じていて悩みつつも誰にも相談できずにもんもんとしてた。キンゼイ博士自身も例外ではなく、極度にピューリタンな父のもと、悩み深い少年時代を過ごし、成長しても童貞。今日もハチの研究に一生懸命。それが恋をして、結婚して、......奥さんとセックスできなかったからさぁ大変!(^^)巨根だったくせに前戯もなくバージンの奥さんに入るかっての!でもそこが科学者。ちゃんとお医者さんに相談に行って、どうやるか教わって(^^)それから夢のようなセックス・ライフを送れるようになった。
.....そして学生の悩みを聞くうち.....誰もセックスについて科学的に知らない!知らないから迷信に右往左往してるのに、それに対して生物学者の自分は反論もできないってことに気がつき、セックスを科学的に調査する決意を固める。
これがさ、すごい自然な流れなんだよ。別に彼は、セックス好きなわけでもなければ、これで名を成そうとか、センセーションを巻き起こそうとか思ってるわけじゃない。エロおやじですらない。ただ、大人の、当たり前の科学者として、無知から知の世界に向かい、皆を悩みから解放する必要があると感じる。
そして開始するインタビュー。アメリカ全土の男性/女性、ホモセクシュアル/ヘテロセクシュアル、年齢・宗教問わず(ただし、歴史的事実について述べると、彼の調査は白人のみを対象として行われた)。その数なんと18000人!
わかったことは.....みんな違うってこと(^^)。違うから、「私は正常ですか?」と聞かれても、「正常です」としか答えられない(^^)。....逆に言えば、「自分は異常だ」と悩む必要なんかないってこと。
そしてその事実を出版!世間は騒然!セックスは.....まぁ今でもそうだけど、人前であけすけに語るにはあまりにタブー視されているからね。
でも...『男性版』はまだ良かったのだけれど(センセーションとして奇異的に報じられたけれど、少なくともベストセラーになり多くの人が読んだ)、『女性版』の発行に対しては、あまりに不道徳だとして批判されるようになり、世間は彼を白眼視するようになる。
加えて、赤狩りの嵐。ロックフェラーの資金援助が断たれ、その上、自分の著作を都合よく捉える「やれやれバンバン」な読者とも出会い、性犯罪を助長してしまったのではないかと悩んだり......
後半の彼はぼろぼろ。不思議なんだけど.....うまく行っているときに、彼は傲らない。傲っている暇はない。研究に忙しくて。でもうまく行かなくなったときに.....目に見えずに支持してくれる人たちの存在を彼はいとも簡単に忘れてしまう。自分が世界を少しだけ、でも大きく変えたってことに気がつけない。
でもさ、最後に出てくるレズビアンの女性が言っていたように、彼の本を読んでまさしく「命が救われた」人って何人もいたと思うんだよね。
笑ったり、泣いたり、存分に楽しませてくれる映画。
ただ彼は、あくまでも科学者として科学的にセックスを追求・探求してる。それがあまりにも.....助手の青年、バイセクシュアルでキンゼイとホモセクシュアルな関係を結んだ彼の言うように「冷酷」でもある。なぜって....人はセックスを愛と結びつけて考えるから。そんなに単純に、人は「セックスはセックス」とは割り切れない。
その矛盾をつくのが、青年と妻クララが、共犯的性関係を結ぶシーン!ホントは嫌なんだけど、嫌とも言えず、黙っちゃうキンゼイがかわいく、おかしい(^^)
(この助手役を務めるのが若手実力派のクリス・オドネル!!実力に対して今イチ役には恵まれないが、私は彼にむちゃくちゃ注目している。アル・パチーノの『セント・オブ・ウーマン』は見た??ラストがいかにもアメリカ臭くて、ラストだけカットして欲しいけれど、その前までは素晴らしい作品(^^;)そして、この作品でパチーノの相方を見事に演じきるのがクリス・オドネル!.....いや見てよ、この演技。素晴らしい。今回はまた顔つきまでがらっと変わってびっくりです。)
クララとの愛は美しく、強いけれど、でも本質的にこれは「愛」について扱った映画ではない。
それを裏付けるように、映画の最後で、「なぜあなたは愛について語らないのですか?」
と聞かれるシーンがある。キンゼイは答えて、「なぜなら愛は数値化できない、だから科学的に扱うことができない」......「人は愛についてもあまりに無知だ」とも。
キンゼイ博士が愛についてレポートしたら、それはすごく興味ある、深い本になったのではないかと思うけれど(^^)
私、最近の一連の出会いから思ったのだけれど、セックス.....(セクシュアリティ、性体験、性器そのもの)は、愛だけじゃなくって、その人の人生の核をなすものなんじゃないかってこと。自分のセクシュアリティ、自分のした性体験、自分と性器との関係。それは自分のアイデンティティともなって、人生に多大な影響を及ぼしてる。
だから、やましくなく、傷つくことも傷つけることもなく、明るく、楽しく、大らかに、「セックスと自分との関係」を築くことがとても大切。なのではないか?
今さ、改めて『キンゼイ』のオフィシャル・ホームページを見てたら、パパ役のジョン・リスゴーが「真実が人間を解放する」って語っていて......ため息。なんて素晴らしい言葉なんだろう。「真実が人間を解放する」。
私も、常にそんな人間でありたい。
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■『愛についてのキンゼイ・レポート』オフィシャル・サイトはこちら
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■パチーノ&オドネルの名演に酔う!『セント・オブ・ウーマン』DVDはこちら、レンタルはこちらから!
■キンゼイに関する本で、今手に入るのってこれだけなの?ホント!?キンゼイ博士に関する書籍リスト
■↓キンゼイ研究所は今でもセックスについての研究書を出版してます。洋書なら読める!
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1. 映画館「愛についてのキンゼイ・レポート」 [ ☆ 163の映画の感想 ☆ ] 2005年09月18日 00:20
「愛について」というか「性」についてですね。
この映画の宣伝で「その愛に、満足していますか?」というのがありましたけど、恋愛のHow toものの映画だと思って観てしまう人がいたら。。。全然違う内容です。
原題は「KINSEY」。動物学のキンゼイ教授の一生という感...
2. 愛についてのキンゼイ・レポート(評価:☆) [ シネマをぶった斬りっ!! ] 2005年09月18日 00:48
【監督】ビル・コンドン
【出演】リーアム・ニーソン/ローラ・リニー/クリス・オドネル/ピーター・サースガード/ティモシー・ハットン/ジョン・リスゴー
【公開日】2005/8.27
3. 映画: 愛についてのキンゼイ・レポート [ Pocket Warmer ] 2005年09月18日 10:05
邦題:愛についてのキンゼイ・レポート 原題:Kinsey 監督、脚本:ビル・コン
4. 愛についてのキンゼイ・レポート [ toe@cinematiclife ] 2005年09月18日 11:20
偶然なんだけど、『ヴェラ・ドレイク』に引き続き、“性”をテーマにした映画を見ることになった。<STORY> 1910年代初頭のアメリカ。 性に対して極端に保守的な思想を持つ父親 (ジョン・リスゴー) の元で育ったアルフレッド・キンゼイ (リーアム・ニーソン)は、工学を...






